人気ブログランキング | 話題のタグを見る

忘れてはいけない 遺体―震災、津波の果てに

石井光太(著) 新潮社

釜石の遺体安置所にかかわった民生委員、医師、歯科医、消防団員、市職員などの方々を追ったルポ。忘れてはいけないと手に取ってみたももの…、凄まじい現実が目の前にあり、仲間や知り合いの遺体も運ばれてくる中で淡々といや肉体も精神も限界のなかで、作業を続けられた方々の思いが静かに書かれており福島だけでなく津波の被害についても風化させてはいけないなと強く感じる内容でした。

三月十一日以降、釜石のマチはどこまでも瓦礫が積み重なる廃墟となり、ヘドロを被った死屍が累々と横たわっていた。民家に頭を突っ込んで死んでいる女性、電柱にしがみつきながら死後硬直している男性、尖った材が顔に突き刺さったまま仰向けになって転がっている老人。風邪の強い日も、雪のつもる日も、遺体は何日間も静かに同じ場所でかたまったままだった。57頁

「みなさんが運んでいる間に、新たに発見されたのです。昨日からずっとこうしてひっきりなしなしに遺体が運ばれてきているのです」
体の力が抜けた。まるでで瓦礫の向こうから、列をなして遺体が行進してくるようだった。65頁

初日から否応なしに、多くの知り合いの死に顔と対面したが、松岡には一々悲嘆に暮れている余裕がなかった。休む間もなく多くの遺体を運ばなくてはならなかったためだ。82頁

五体、六体、七体と見つけていったが、どれも廃墟と化した風景に妙に溶け込んでおり、人が死んでいるのが当たり前のようにしか思えなかった。90頁

だが、母校の体育館に足を踏み入れた途端に突き付けられた現実は、生ぬるい慈善心を粉々のに打ち砕くぐらいむごたしいものだった。五十体以上の遺体が丸太のように何列にも転がされており、納体袋を開けてみると目の前に迫る恐怖にひきつれた叫びをあげたまま死んでいった人間の顔が次から次に現れる。わずか二日前まで同じ釜石の空気を吸って生きてきた人ばかりだ。港の夕景を歩いていたはずの人、デパートですれ違ったはずの人、店のレジに立っていたはずの人……。157頁

安置所の担当者が説明した。
「大槌町では津波の後に大火災が起きたため、散らばっていた遺体の多くが焼けていしまったんです。現在運ばれてきている遺体の七割から八割は炭化していると考えてください。それらは顔の見分けがつかないため、ほとんど身元がわかっていません。163頁

報道で知っていたはずだけど、想像を絶する。どこまで復興できたんだろうか?
読んでよかった
忘れてはいけない 遺体―震災、津波の果てに_a0064004_18270871.png

痛みが起こるのには、心と身体の両方が関わっています。
慢性痛に関する学説や治療法は数多くありますが、
どの説も、慢性痛の症状があるなら、身体だけではなく、
心にもその原因があるという大原則は一致しています。

湘南深沢ニコニコ整骨院 鎌倉市常盤60-3
0467-43-2556
または
y.shidara87@gmail.com


by c-dunk | 2015-12-14 18:29 | 身心

走る迷走柔整師  ココロと身体はセット 設楽義勝


by c-dunk