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身体観

医療人類学入門 波平恵美子

「文化」としてのからだ
われわれは自分の身体について、それを意識しているか否かにかかわらず、一定の観念を持っている。その観念がどのようなものであるかは、健康で身体に何の不調も感じていないときには明瞭ではない。しかし、身体のどこかに痛みを感じる場合や不快感を持つ場合には、その痛みや不快を明確に認識しようとする結果、あるいは他の人に自分が持つ感覚を説明するときには、自分の身体観を用いて行なうので、それがより明瞭になる。そして、その身体観はそれぞれの文化によって異なっているし、医療体系がことなると、医療に携わる人びとが持つ身体観もまた異なる。

病気の原因を探り出す試みや、一定の方法がある症状を消すことに有効であると考える根拠や、患者が訴えている症状に対してなぜその治療法が効果があるかを治療者が説明する折に、身体観を抜きにしてそれを行なうことはできない。そして、その身体観は個々人で異なるのではなく、一定文化の中で育った人びとは共通した身体観をもっている。また医療従事者は、現代医学における医師も伝統的医療の治療師の場合も、その教育課程の中で体系的に教え込まれる。さらに、ある人のもっている身体観がその人の身体感覚を形成することも起きると考えられる。


「身体観」の文化がどこからか、ずれ出したんでしょうか?治療法が大昔にもどる必要は当然ないんですが、「身体観」とか「病気観」の変化ってのはちょっと大きそうですね。
by c-dunk | 2006-01-11 11:12 | 身心

走る迷走柔整師  ココロと身体はセット 設楽義勝


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