2006年 05月 11日
これからは、治療ではなく講習。
>被験者に対しては、労働およびその他の活動は腰痛があっても続けられるものであると説明し、
これに尽きるな。普通の腰痛体操も使いようなのかも。
低強度の腰背部リハビリテーションプログラムで仕事への復帰が早まる
提供:Medscape
休職期間の短縮と機能障害の軽減には高強度腰痛学級や通常治療よりも低強度腰痛学級のほうが有効であることがランダム化試験で示された
Emma Hitt, PhD
Medscape Medical News
Reviewed by Gary D. Vogin, MD
【5月5日】亜急性の腰痛で休職中の患者における「一般的治療法」と高強度のリハビリテーション、低強度のリハビリテーションを比較した初めてのランダム化対照比較試験の結果、低強度のほうが仕事への復帰が早まることが『Spine』5月1日号に発表された。
アムステルダム自由大学医学センター(オランダ)のMartijn W. Heymans, PhDらが、非特異的な腰痛で3週間から6週間休職している労働者299名を対象にしてこの試験を行なった。
被験者を、通常治療群(n=103)、低強度腰痛学級(n=98)、高強度腰痛学級(n=98)にランダムに分けて、機能障害を治療した。
通常治療に割り付けられた被験者は、職場の医師のところに行き、腰痛の予後と職場復帰の予定日について話し合った。患者に対しては可能な限り日常の活動を続けるように指示がされた。休職期間が12週間を過ぎた場合には、腰痛学級や集学的リハビリテーションプログラムといったさらに水準の高い介入を受けさせた。
低強度の腰痛学級は1週間に1回のグループセッションを4週続けて計4回行なった。セッションでは、30分間の講習に続いて、書面に示された作業と標準的な強度の体操を90分間行なった。被験者に対しては、労働およびその他の活動は腰痛があっても続けられるものであると説明し、自宅での体操は1日2回と腰痛が少しでも再発した時に実施させた。
高強度プログラムでは、1週間に2回のセッションを8週間続けた。セッションは毎回1時間であり、理学療法士の指導に従ってセッションごとに活動量を増やしていった。最初の2回のセッションでは、労働者の各人が職場でもっとも困難さを感じる活動を模倣した運動を個人ごとに行なった。さらに自宅での体操も行なわせた。
低強度の腰痛学級の被験者は、通常治療法および高強度の腰痛学級の被験者に比べて、職場への復帰が早かった(それぞれの比較でハザード比[HR] 1.4とP=0.06、HR 1.3とP=0.09)。低強度学級群、通常治療群、高強度学級群のそれぞれの休職期間の中央値は68、75、85日間であった。
6カ月間の追跡において、高強度学級群と通常治療群の転帰に有意差はなかった(HR1.0、P=0.83)。
さらに、低強度学級群は、その他の群に比べて、3カ月後における機能状態の改善が大きく、「運動への恐怖心(運動恐怖症)」の程度が小さかった。ただし、著者らの弁によれば「2種類の学級はどちらも、3カ月後と6カ月後の機能の改善状態が通常治療群よりも良好であった」。
疼痛と自覚的回復度については群間に差が見られなかった。
「亜急性に分類される患者は、労働への復帰を早めるために軽めの腰痛学級プログラムに紹介すべきであることが今回の試験結果で示された」と著者らは結論で述べている。
「今後の介入法には、再び痛めることへの恐怖心を和らげる重要メッセージとともに、労働への完全復帰の予定日などの明確なエンドポイントを含めて介入をおこなうことを、我々は提案する」。
Spine. 2006;31:1075-1082
これに尽きるな。普通の腰痛体操も使いようなのかも。
低強度の腰背部リハビリテーションプログラムで仕事への復帰が早まる
提供:Medscape
休職期間の短縮と機能障害の軽減には高強度腰痛学級や通常治療よりも低強度腰痛学級のほうが有効であることがランダム化試験で示された
Emma Hitt, PhD
Medscape Medical News
Reviewed by Gary D. Vogin, MD
【5月5日】亜急性の腰痛で休職中の患者における「一般的治療法」と高強度のリハビリテーション、低強度のリハビリテーションを比較した初めてのランダム化対照比較試験の結果、低強度のほうが仕事への復帰が早まることが『Spine』5月1日号に発表された。
アムステルダム自由大学医学センター(オランダ)のMartijn W. Heymans, PhDらが、非特異的な腰痛で3週間から6週間休職している労働者299名を対象にしてこの試験を行なった。
被験者を、通常治療群(n=103)、低強度腰痛学級(n=98)、高強度腰痛学級(n=98)にランダムに分けて、機能障害を治療した。
通常治療に割り付けられた被験者は、職場の医師のところに行き、腰痛の予後と職場復帰の予定日について話し合った。患者に対しては可能な限り日常の活動を続けるように指示がされた。休職期間が12週間を過ぎた場合には、腰痛学級や集学的リハビリテーションプログラムといったさらに水準の高い介入を受けさせた。
低強度の腰痛学級は1週間に1回のグループセッションを4週続けて計4回行なった。セッションでは、30分間の講習に続いて、書面に示された作業と標準的な強度の体操を90分間行なった。被験者に対しては、労働およびその他の活動は腰痛があっても続けられるものであると説明し、自宅での体操は1日2回と腰痛が少しでも再発した時に実施させた。
高強度プログラムでは、1週間に2回のセッションを8週間続けた。セッションは毎回1時間であり、理学療法士の指導に従ってセッションごとに活動量を増やしていった。最初の2回のセッションでは、労働者の各人が職場でもっとも困難さを感じる活動を模倣した運動を個人ごとに行なった。さらに自宅での体操も行なわせた。
低強度の腰痛学級の被験者は、通常治療法および高強度の腰痛学級の被験者に比べて、職場への復帰が早かった(それぞれの比較でハザード比[HR] 1.4とP=0.06、HR 1.3とP=0.09)。低強度学級群、通常治療群、高強度学級群のそれぞれの休職期間の中央値は68、75、85日間であった。
6カ月間の追跡において、高強度学級群と通常治療群の転帰に有意差はなかった(HR1.0、P=0.83)。
さらに、低強度学級群は、その他の群に比べて、3カ月後における機能状態の改善が大きく、「運動への恐怖心(運動恐怖症)」の程度が小さかった。ただし、著者らの弁によれば「2種類の学級はどちらも、3カ月後と6カ月後の機能の改善状態が通常治療群よりも良好であった」。
疼痛と自覚的回復度については群間に差が見られなかった。
「亜急性に分類される患者は、労働への復帰を早めるために軽めの腰痛学級プログラムに紹介すべきであることが今回の試験結果で示された」と著者らは結論で述べている。
「今後の介入法には、再び痛めることへの恐怖心を和らげる重要メッセージとともに、労働への完全復帰の予定日などの明確なエンドポイントを含めて介入をおこなうことを、我々は提案する」。
Spine. 2006;31:1075-1082
by c-dunk
| 2006-05-11 17:47
| 痛み