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ストレスと筋肉痛

例えば、一部の人は不安や精神的な緊張の高まりがあると、肩に重荷を感じる。それに伴って肩に力が入る。このとき、肩を持ち上げる僧帽筋、肩甲挙筋が収縮する。この収縮が続くと肩が凝り、頚や頭に痛みを感じる。
 また、顔をしかめ、額にしわを寄せることで前頭筋が収縮し、頭痛を生じる人もいる。中には他の頭蓋筋を巻き込む例があって、この場合はより広範囲に収縮と痛みが現れる。頭蓋筋の収縮は、初めのうち、一過性の収縮である。しばらくたつと、これが持続性の緊張性収縮に変わる。やがてこの収縮が頚筋にまで広がり、肩こりや頭頚部痛が現れる。一部の人では咀嚼筋の緊張が高まり、「歯ぎしり」や顎関節の機能異常が発症する。
 他方、深刻な抑うつに落ち込んだ人は、肩を落とす。そして顎を前に出す。それにともなって、頭の重心が、脊柱線を通る体の重心よりも前に移動する。目を伏せて歩くが、それでもなお頭を支えている頚の筋肉(頭半棘筋、頚半棘筋、多裂筋)に負担がかかる。これらの筋肉が凝り、頭や頚部に痛みが現れる。
 筋肉の緊張が高まると、痛覚受容器が分布する筋肉や筋肉を包む筋膜に無理な力が加わって、痛みを生じる。また、筋収縮のために血管が圧迫されると、筋肉への血流障害が加わり、ブラジキニンのような発痛物質と発痛増強物質プロスタグランジンが産生されて痛みが強まるのである。
 筋肉の収縮が強まって攣縮に移行すると、なお一層、痛みが出やすくなる。攣縮が続くと筋線維の一部が障害されて、筋筋膜痛症候群となる。

漱石の疼痛、カントの激痛 横田敏勝著

ここで、レントゲンやらMRIで調べると違う疾患名に変わることが多いのが世間様。
by c-dunk | 2006-10-31 15:05 | 痛み

走る迷走柔整師  ココロと身体はセット 設楽義勝


by c-dunk