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復習・ヘルニアの除去

Wall大先生は「神経絞扼」がそもそも怪しい考えているようです。モートン病にもちょこっと触れていますが、それはまた今度。
疼痛学序説 痛みの意味を考える   Patrick Wall著 横田敏勝訳
末梢神経の手術
神経の絞扼は、患者たちと医師たちの双方が好きな説明だが、それはとても時代遅れで機械的な感じがする。絞扼された神経は必ず、腕、手首の手根管、肘、肋骨の上などで外科的に遊離され、絞扼から解放された。手術成績はさまざまで、神経が損傷されていたことを裏付ける証拠は稀である。外科手術がしばしば炎症を起こして、組織を撹乱することは疑うべくもない。しかし、この手術成績がこうなった理由は、たとえあるにしても頭を悩ませる。

「椎間板ヘルニア溶解術のプラシーボ対称試験のため、全身麻酔下に特に害のない液を注入したところ、その後の回復率が非常に高かった。」
やってたんですね。効きますねプラシーボはやっぱり。

「ヘルニアが運動神経を切断して運動麻痺を生じることが証明されたように思われていたが、痛みがあると中枢性の効果によって筋肉が消耗するので、今では疑わしい、」
まさに復習です。

誰も驚いてはくれないでしょう!
除痛のために行なう最も大きい末梢手術は、椎間板ヘルニアの除去術である。一部の外科医たちは、椎骨の動きを制限するための骨移植を同時に行なっている。椎間板ヘルニアの手術は70年以上もの間行なわれてきた。もてはやされたこともあったが、疑問が増し続けている。ヘルニアの突出と痛みはそれぞれ独立していて、痛みの発現におけるヘルニアの突出の役割ははっきりしない。椎間板ヘルニア溶解術のプラシーボ対称試験のため、全身麻酔下に特に害のない液を注入したところ、その後の回復率が非常に高かった。ヘルニアが運動神経を切断して運動麻痺を生じることが証明されたように思われていたが、痛みがあると中枢性の効果によって筋肉が消耗するので、今では疑わしい、以前この手術を熱烈に支持していたマイアミ大学は、今ではこの手術をやめて、厳密なリハビリテーションのプログラムを採用している。またもや、手術が有効なのか、暗示によるものか、それとも痛みの明らかな発生源部位組織の何か非特異的な撹乱によるものか、全くはっきりしない。

by c-dunk | 2006-02-09 11:24 | 痛み

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by c-dunk