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認知行動療法①

痛みと臨床vol.6 no.1 2006
痛みをどう理解するか 松岡紘史、坂野雄二 


はじめに
慢性疼痛の問題をかかえている患者は、痛みを感じるということの他に、日常生活で活動が制限されている(行動)、痛みに対処することができないと感じ(認知)、気分が落ち込む(情緒)など多くの問題をかかえている。こうしたさまざまな問題をもつ患者を包括的に理解し、介入するための方法が認知行動療法である。

1認知行動療法とは
認知行動療法とは一般的に、「個人の行動と認知の問題に焦点をあて、そこに含まれる行動上の問題、認知の問題、感情や情緒の問題を合理的に解決するために計画された構造化された治療法であると定義される。

認知行動療法では患者のかかえる問題を、
①振る舞いや態度、行動(行動面)
②考え方や考え方のスタイル(認知面)
③感情、情緒(情緒面)
④人間関係や生活環境のなかにあるさまざまな手がかり(環境)
⑤身体的な症状

といった観点から構造化して理解しようとする。図1に示すように、ある環境状態において、身体、行動、情緒、認知などの問題が相互に影響しあうモデルを想定している。また、痛みは国際疼痛学会において「組織の実質的な障害に結びつくか、このような傷害を表わす言葉を使って述べられる不快な感覚・情動体験である」と定義されているように、単なる感覚的な体験でなく情動体験を含んだ複合的な体験であり、さまざまな変数が相互に影響しあい、複雑な臨床像を形作っている。
by c-dunk | 2006-03-08 16:54 | 痛み

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